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勝手に作家紹介 その7 小説家・乙一(おついち)「暗いところで待ち合わせ」他

連載・企画 2015年7月4日

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勝手に作家紹介、第7回目は小説家・乙一氏。

小説家・乙一

福岡出身、17歳の時「夏と花火と私の死体」でデビュー。以来、日本のホラー小説をけん引する作家として活躍されています。
死にぞこないの青」「きみにしか聞こえない」「ZOO」など、知る限りほとんどが短編。「箱庭図書館」は一つの街を舞台にしたオムニバスです。

暗いところで待ち合わせ(幻冬舎文庫)

otsuichi

引用元:暗いところで待ち合わせ

視力を失くし独り静かに暮すミチルと、職場の人間関係に悩み駅で上司を突き飛ばしたアキヒロ。

殺人事件の犯人として追われるアキヒロは、駅前に住む視力を失くした少女の家に逃げ込みます。
ミチルは、その逃げ出すことも襲い掛かることもしない気配に気が付きます。

息を殺して潜み続けるアキヒロと、静かに暮すため気が付かない振りを続けるミチルの、奇妙な生活が始まります。

遺された家で静かに暮すミチルは、他人と関わらないよう極力外出を避けます。唯一、視力を失くす前からの友人・カズエは強引に買い物へ連れ出します。
捜査から逃れるため少女の家に逃げ込んだアキヒロ。アキヒロは、少女に気が付かれないよう、ある目的のため駅が見える窓際に息を殺して潜み続けます。

「気が付かれたか」「気が付いたことに気が付かれたか」とお互いが疑心暗鬼になり、やがて確信に至ります。「静かに暮らし続けたい」少欲的な少女と「潜み続けなくてはならない」目的がある殺人犯の間に、小さな絆が芽生えます。

窓際から離れられない殺人犯と、外界と接触を絶った少女が主役のため、場面のほとんどが家の中。
ホラー小説家・乙一氏らしい「盲目の少女の家に殺人犯が潜んでいる」設定ですが、終盤、アキヒロの目的が明らかになることで覆されます。

短編が多い印象の乙一氏、その作品の中では比較的長めながら、途中で飽きさせません。

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